500円玉
◆造幣局の五百円硬貨騒動。なんともやり切れないし、信じ難い事件である。
◆キスラーの閥下（えきか）効果。規則・罰則をゆるめ過ぎるとこれを犯す者が多くなり、逆に厳しくしていくと、ある水準からやはり法を犯す者が多くなっていくという。
◆かつて、スウェーデン国税庁資料部を視察したことがある。資料収集の心臓部であり、爆弾投入を防ぐために窓は一つもなく、警視庁と同居であった。かの国は高福祉を支えるために、高税率であり、いきおい法の目をくぐる者があとをたたないとか。モラルのいき届いている国ではあるが、こと税に関してはダメだとのこと。
◆税をとり巻く環境は最近とくに複雑でわかりにくい。「わかりやすい税金」は過去のことだろうか。とはいえ、やりきれない事件、信じ難い事件に縁のない世界であって欲しい。
［近畿税理士会『近畿税理士界』平成4年7月25日］
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