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「連珠を世界に!」ロマンの旅 4

連珠を打とう!のキャンペーン スウェーデンに燃え移る

前回まで・国際普及に踏み出すことになったいきさつを内(小生の立場から)と外(サプロノフさん)から紹介した。

やがて、サプロノフさんの「連珠を打とう!」のキャンペーンは、スウェーデンに燃え移ることになる。いきさつはこうであった。

モスクワでサプロノフさんの「連珠を打とう!」のキャンペーンはどんどん高まり、ジャーナリストの肩書きを生かして、さかんに続いていた。

その頃、私は20歳のときにスタートした小さな機関紙「珠友」(京都連珠会刊)が17年を経て、100号を迎えようとしていた。そして、100号を記念して「京都連珠史」の企画が持ち上がり、調査研究に没頭することになった。

私がチーフになって苦闘すること1年。「京都連珠史」の研究は、そのまま「連珠史」の研究となり、原稿用紙にして600枚の膨大なレポートとなった。その結果、これまでのルーツを塗り変える「京都誕生説」の新説発表となった。興味ある方は、ぜひ一読いただきたいと思う。(1部2,000円 〒とも)

この記念誌が、どういう経緯を経てかは知らないが、スウェーデンの1青年の手元に届いた。この青年がこの研究発表に魅了されたのである。青年の名は、トミー・マルテル。後のRIF連珠国際連盟初代会長である。

やがて、マルテルさんの再三再四のラブコールを受けてスウェーデンに飛び立つことになる。国際普及の本格的な始動である。80年12月1日であった。

以下は、小生著『変身そして創造』から転載させていただくことにする。

『変身そして創造』より

昭和55年、『珠友』誌が15周年100号を迎えたのを機に「連珠史を研究せよ」ということになり、連珠史を求めるという大それた調査、研究に着手しました。当初はいやだ、いやだと逃げまわっていたのですが、先哲の歩みに触れたとき、その魅力に引き込まれてしまいました。当時「たかが小さな一趣味の“連珠”と人はいうかも知れませんが、歴史にはそんなものを吹き飛ばす人生の深みと夢と明日がありました。遊びの歴史もその時代その時代の貴重な遺産です。」と記しています。

紀元前を行きつ戻りつしたあと結局、江戸中期説に落ち着きましたが、原稿用紙にして600枚の大作です。歴史に造詣も関心もなかった頃ですから、へとへとに疲れ、夜ともなれば歩けず家の中を這っている日もあり、十二指腸潰瘍寸前だと警告も受けたものです。

連珠の新聞記事

一部に新聞報道(右写真)もありましたが、マニアだけの自己満足の感がなきにしもあらずで、労多くして功少なしの思いを強くしました。ところがこの研究成果が1年も経ないうちにスウェーデンのひとりの男性をとりこにし、連珠の国際化を急ピッチで進展させることになります。

田辺宗治さん(当時、スウェーデン在住の牧師)から、いきなりこんな手紙をいただきました。

「初めてお便りします。
私はあなたが発表された連珠史の研究をあるスウェーデン人に頼まれて翻訳しています。漢文が随所にあるので、とても難しく四苦八苦していますが、彼は夢中でもっと早く、もっと早くと責めたててきます。
いままで〈連珠〉が何であるかさえ知りませんでしたが、この研究を読んで、日本人として誇りに思います。それがそのままスウェーデン人をとりこにしているのでしょう。
彼は、早川さんに会いたがっています。よろしければ便りをしてやってください。通訳の労は小生がとります。素晴らしい研究をありがとうございました。」

びっくり仰天です。そして徐々に喜びが湧き起こってきます。「こんな研究をしてなにになる」という思いで、提案した人をうらんだことさえあるのに、そんなことはすっかり忘れ、今度は有頂天です。
〈以下はこのレポートにふさわしくないかもしれませんが、続けます〉

趣味の世界とはいえ、基礎研究(基礎知識、基礎教養)は極めて重要なものであることを学びました。目に見えないところでの努力も…。

この体験が、企業活動あるいは人生設計において、基礎知識、基礎教養は欠かせないと認識することになっていきました。技術的な基礎知識はもちろん、技術以前の基礎知識は最重要課題だといえます。例えば、

 ・繁栄している企業もモラルはきわめて良好である
 ・繁栄している企業の雰囲気(波動)は明るく、活発である
 ・社員研修など目に見えないところに力をそそいでいる
 ・トップと中間職、中間職と社員のコミュニケーションがスムースである

などもひとつの基礎知識、基礎教養(基礎体力)だと思いますが、いかがでしょうか。

「素晴らしいビルを建てるためには詳細な設計図なくして建ちません」と同様「素晴らしい人生を築くための詳細な設計図はなぜいらないのでしょうか」は真理をついています。急がば回れとでもいうのでしょうか。

『変身そして創造』より

いよいよ次回からスウェーデンの旅が始まる。お楽しみに!