自琢
兼子光隆編『明日のために』紹介
自分で磨く、自ら磨くことをいう。琢は、切磋琢磨(せっさたくま)の琢の意である。
“玉磨かざれば光なし”たまには人に磨いてもらって、きれいになるときがあるかも知れないが、やはり自分で磨かなければなるまい。
最近の出来事から?
静岡新聞社から電話をいただいた。用件はこうである。
「ある方がお亡くなりになり、ご遺族の方が遺作集を編集されているのですが、亡くなられた方が大切にされていたノ?トに「自琢」と記され、その意味するところが付記されたあと、『座右銘百選 こころの花』より、と記されてありました。今回の遺作集の発行にあたり、原文のまま転載させていただきたいので、ご承認をいただきたい」
70代後半の方(*)のようであったが、ご自身を律するすてきな生き方をされた方だろう。もちろん、なんのためらいもなくOKさせていただいたが、このコ?ナ?の活用法はまさにここにあると思っている。大切な言葉、ご自身にあった言葉があれば、ご活用いただければありがたいことである。
*後でわかったことであるが、実際は46歳、若くしてお亡くなりになった中学校の先生でした。
今度は私がお許しを得て、私が転載させていただくことにしました。
先生のお勤めになっておられた中学校の学級新聞に掲載されたものです。
「自琢」の「琢」は「切磋琢磨」の琢で「みがく」という意味です。「自琢」という言葉は、ある作家の造語のようですが、この言葉にであった時、私は強いショックを覚えました。
誰でもない自分をみがいていくのは、自分を変えていくのは、自分でしかないのです。誰も自分のかわりをやってくれるわけではないのですから。
もちろん、まわりの人の教えや忠告や援助があって自分は生きているのですから、まわりの人のおかげで自分をみがくことができるのですが、自琢の心がなかったら、まわりの人の愛もムダになってしまいます。
みんなは、これからたくさんの困難と戦いながら、少しずつ自分の夢や希望を実現させていく大事な大事な何年間をすごします。自琢の心で自分をしっかりみがいていってもらいたいと思います。
兼子光隆著『明日のために』
発売元静岡新聞社 1260円
全国の書店で取り寄せできますが、
直接静岡新聞社出版部に申込むことも可
054-284-1666 (〒500円 要す)
ぜひお手元に置き、お読みいただければ幸いです。
この著者が平成20年度静岡県自費出版大賞に輝きました。おめでとうございます。